「自分には強みがない」と思っていた私が、経験から得たものに目を向けられるようになるまで
上本 凌嗣さん

「自分には、強みと言えるものがない」。自信を失っていた当時、上本 凌嗣さんは、自分の長所や短所、いつもつまずいてしまう理由を知りたいと考えていました。
対話で振り返ったのは、仕事の経験だけでなく、幼い頃から好きだった植物や生き物のこと。そこには、本人が当たり前だと思っていた、物事を深く知り、工夫を重ねる姿がありました。
自分の持ち味と、前に進むことを難しくしていた考え方を知る。その積み重ねは、失敗への向き合い方や、友人との関わりにも変化をもたらしています。
対話を始めた頃
当時、自分について考えていたことは?
自分に合う仕事がわからず、これからどう進めばいいのか悩んでいました。自信を失っていたこともあり、自分は強みと言えるものを持っていない人間だと思っていました。
自分の長所や短所、いつもくじけてしまうパターンを把握して、今後、仕事とどう向き合っていくべきかを整理したかったんです。
自分の強みや適性がわからないまま前に進むことには、かなり抵抗がありました。そんな思いを否定せず、自己理解を手伝っていただけたことが印象に残っています。
印象に残っているやり取り
覚えている具体的な場面を教えてください
最初の面談で聞いた「ソースとツール」の話です。無意識に体が動いてしまうような、自分の本質的な特徴が「ソース」なのだと知りました。それまで自分が強みだと思っていたものは、生きていくなかで身につけてきた「ツール」だったのかもしれない、と気づいたんです。
ソースを知るために、過去の経験や趣味から共通点を探していきました。それを言葉にするところまで、一緒に取り組んでもらえました。
自分への理解と、その後
気づきが日常につながった場面は?
自分には「改善力」と「素直さ」があると気づきました。
面談のたびに、用意してきた意見や振り返りを話していたのですが、「ちゃんと振り返れていますね」「言ったことを素直に受け取って、次に活かせるのが長所ですね」と伝えてもらうことが多かったんです。そこで、新しい自分の強みに気づきました。
同時に、完璧主義なところにも気づきました。つまずくと、完璧な答えを出すことにこだわってしまうんです。「失敗をどう改善するか」より、「これ以上失敗しないためにはどうしたらいいか」に考えが偏る傾向がありました。
失敗を糧として、前向きに捉えることについても、たくさん話しました。少しずつ、完璧を求めすぎずに、失敗を受け止められるようになったと思います。
今は、落ち込むことが少なくなったと感じています。ショックなことや、失敗したと思う出来事があっても、「この経験から得たことは何だろう?」と考えられるようになりました。失ったものよりも、得たものに目を向けられるようになったと思います。
友人から悩みを相談されたときにも、その人が経験を通じて何を得たのか、一緒に考えるようになりました。気持ちに寄り添いながら、よかったことや改善できることを整理して、次にどう動けばいいかを一緒に考える。「相談してよかった」「前向きになれた」と言ってもらうことも増えました。
この時間の意味
対話する時間を、どう感じていましたか?
私の思っていることを否定せず、一度受け止めてくれることが助けになっていました。
気持ちが落ち込んで、歩みを止めたくなったときにも、まずは思いを受け止めてくれました。そのうえで、これまで積み上げてきた努力や、その期間にどれだけ成長できたかを話してくれたんです。それを聞いて、自分が今、何をするべきかを考え直せたことがありました。
面談の一回一回が、人として成長でき、前進できる時間だったと思います。もともとはネガティブに考えることが多く、変化を怖がったり、自分の考え方に固執したりするところがありました。面談を重ねるたびに、前向きに、柔軟になっていくのを実感していましたし、自走する力もついたと思っています。
メタ認知の話も印象に残っています。自分の視点から見える物事だけに固執せず、一歩引いて、いろいろな角度から捉える。そうすることで、今の状況から前に進むために、どんな行動や考え方ができるかを考えられるようになりました。
以前より前向きになれて、前に進めた気がしています。自分の経験を友人に話すときにも、そうした変化を言葉にできるようになりました。
自分のなかにあったものを、次の一歩へ
「自分には、強みと言えるものがない」。そう感じていた上本さんが対話のなかで見つけたのは、幼い頃から好きなものを深く知り、工夫を重ねてきた自分の姿でした。振り返って改善する力も、人の言葉を素直に受け止める力も、これまでの経験に表れていました。
うまくいかなかったときに、「この経験から得たことは何だろう」と問い直す。その視点は、自分自身だけでなく、友人の話を聴く時間にも活きています。
URUOSは、一人ひとりの経験に耳を傾け、持ち味と、動きにくさにつながる癖を一緒に確かめます。自分を知ることが、日々の選び方や人との関わりにどうつながるか。その先まで、ともに考えていきます。
